2011年02月05日

仏教と法学(その1)

この前インド哲学に潜っていた友人氏から刺激を受けて「般若心経」を読みました。その中の有名な文句
「色即是空 空即是色」
への訳、及び註を読んでハッとさせられましたね。まるで刑法学、いや法律学その物じゃないか、と。
 つまり、仏教の観点から見たこの世と言うのが実体欠缺、主客未分の世界であり、其処から唯一のものをつかみ取るためには現実が因果関係の中から成っていて自己もまた浮動しているという極めて不安定な関係にあるとし、このような実体の無い世界の外への逃避を実感として得ることを勧めるのに対し、法律学もまた世界がそのようなものである事を是認した上で、あくまでこの世界に踏みとどまって因果関係を中心としながら主客未分の世界を切り取ろうと努力するという事ですね。スタートは飽くまで同じ所にある、しかし其処から先のアプローチが異なるのみ、と考えられないでしょうか。そう考えると法律学という学問が非常に愛おしい学問に思えてきますね。飽くまで、飽くまで現実世界に踏みとどまって現実世界内での救済、正義の実現を目指すのですから。正しく「現代の大乗仏教」と言えましょう。


posted by 毛竹斎染垂 (Kechikusai Shimitare) at 00:49| Comment(1) | 評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
主客未分の世界を因果性など原則の下で切り取る。そうすることで初めて「経験」が成立する。

純粋理性批判にはそんなことが書いてある気がします。(まだ全部読んでませんが、汗)
Posted by 奈津遠州 at 2011年02月18日 19:40
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